建設業職人マガジン

建設業「特定技能」外国人労働者は増えてない。人手不足なのになぜ?

2019年に新設された在留資格「特定技能」ですが予定より大幅に普及が遅れています。

「建設業は人手不足が深刻なのになぜ?」と思いますよね。

新型コロナウイルスの影響で入国制限がかかっているのも1つの理由ですが他にもたくさんの理由があります。

「特定技能の外国人労働者を受け入れようかな」と考えている人も多いと思います。

この記事ではそのような人が受け入れの時に知っておかなければいけない問題を詳しく解説しています。

受け入れを考えている人は制度をよく理解して受け入れ体制を整えておかなければいけません。

上手に「特定技能」の労働者を受け入れることで人手不足解消に役立つことは間違いありません。

特にこれからの日本の建設業では必要不可欠なのではないでしょうか?

建設業だけは特殊な仕組みになっている

従来の在留資格である「技能実習」で建設業の失踪者が多かったので管理を徹底するためにJACという団体ができました。

受け入れ企業はJACかJAC傘下の業界団体に加入しないと「特定技能」で受け入れることができません。

もちろん高額な会費が必要になります。

JACとは別に受け入れ企業は登録支援機関に頼ることになります。

受け入れ企業はJACと登録支援機関に費用が二重払いになってしまいます。

技能実習生を受け入れていた企業でもJACの加入のための費用がネックとなり特定技能での受け入れを断念した企業が後を断ちません。

特定技能の制度はとても使いづらくなっている事が普及しない理由の1つになってます。

高額なコストがかかる

前項のJAC、登録支援機関に支払う費用は当然のことながら他にも色々な面で費用がかかってきます。

給与、福利厚生 毎月、日本人と同等以上
入国費用 約10万円
JAC会費 24〜36万円  入会時
登録支援機関 毎月2〜4万円
JAC受入負担金 毎月2万円/1人あたり

最低限で考えても上記の費用はかかってっきます。

これだけの費用がかかってくると日本人を雇用するのと同じくらいの費用になってきますね。

悪質ブローカーの存在

悪質ブローカー

特定技能の外国人の送り出し国の中で最も期待されていたのはベトナムです。

ベトナムは「実習生」全体の半数以上の約22万人を日本に送り出しています。

「ベトナムの実習生は国で借金をして日本に来ている」といったことを聞いたことはありませんか?

それは本当で日本に行きたい若者はブローカーに手数料を支払っているんです。日本円で100万円以上の手数料を取っている悪質ブローカーもとても多いです。

ベトナムの物価は日本の10分の1ほどなので月に2〜3万円の収入しかない人が多いです。日本に来る若者は学歴が無く貧しい人たちが多いので結果借金に頼ることになってしまいます。

ベトナム政府は「手数料の上限を38万円を超えてはならない」と定めてはいるのですが、規定は全く守られていないのが現実です。

ベトナム政府が悪質ブローカーをもっと取り締まってくれれば必要以上に借金をしなくて済むのですがベトナム政府は賄賂と汚職が横行しています。

政府関係者にお金を渡せば簡単に取り締まりを逃れられます。

「実習生」「特定技能」の送り出しは大きな利権となっています。

日本側が悪質ブローカーの排除を求めてもベトナム政府は簡単に応じるわけにはいきません。

ベトナム政府は日本の足元を見て特定技能の資格試験を実施していない状況です。

1番困るのは人手不足の日本なので試験を実施せずに送り出しを止めることで日本に譲歩させようとしています。

そもそも日本に来たがらない

特定技能の外国人は「実習生」「留学生」でもともと日本に来ていた人達です。

なのでみんな知っています。

日本に来ても安い給料でこき使われることを。

これまで外国人労働者に関する事件がたくさんありました。

  • 法外に安い賃金で働かせる日本企業
  • 立場の弱い実習生への暴行事件
  • 残業代未払い、休みを取らせない
  • パスポートを取り上げる

日本企業は安く使える労働者としか見ていないんです。

その結果、耐えきれず失踪してしまいお金に困って実習生が犯罪に走ってしまいます。

借金を返さないととんでもない目に遭いますので実習生も必死です。

そんな思いをしてまで日本に来たがるでしょうか?

一度日本に来たことのある実習生や留学生にバレているんです。

日本はこの制度を使って底辺の労働力を確保しようとしている事を

上記のような企業はほんの1部だけです。

ほとんどの企業は真っ当に技能実習生を雇用しています。

まとめ

建設業は人手不足なのに「特定技能」の外国人はなぜ増えないのか解説してきました。

建設業の「特定技能」の外国人は5年間で35万人ほど受け入れる見込みでした。

丸1年で実際に受け入れたのは4000人以下でした。

これまで制度の悪い部分や問題を多く取り上げてきましたが無くてはならない制度であることは間違いありません。

重要なのは受け入れる態勢をしっかりしておくことです。

この制度が複雑な制度でコストがかかることを理解した上で上手に使うことが重要です

私の会社も実際に2人のインドネシア人の特定技能の外国人を受け入れています。

技能実習生の時から会社全体でしっかりと対応してきた事で特定技能に移ることが出来ました。

技能実習生として2年10ヶ月「良好に修了」していれば試験を免除され特定技能に在留資格を変更することができます。

建設業の特定技能って何?日本中で最大40,000人までが上限!

こちらで詳しく解説しています。

 【外国人採用サポートPRO】に無料相談

外国人の徹底サポート!【特定技能の窓】

まずは支援機関に相談してみましょう。

かかったコスト以上に頑張って働いてくれます。

ABOUT ME
shokunin
はじめまして。 中卒貧乏職人の職人と申します。 FIREを夢見るアラフォーです。 現在は建設業の会社を1社とリフォーム関係の会社を1社運営しております。 建設業の会社は設立10年、リフォーム関係の会社は設立7年になります。 まだまだ若い会社ではありますが色々な経験をしてきました。 その中で知っておくと役に立つ知識や情報をこのブログで発信したいと思います。 私は現在でも職人として現場で働いているので「経営者目線」「職人目線」の両方の立場から知識や情報を発信できることが強みだと思っています。 このブログで私が発信した記事で少しでも建設業、リフォーム業の印象がよくなればと考えています。 また、職人になりたいと思っている方が一歩踏み出せるきっかけとなるサイトになればなおいっそう嬉しいです。