最近現場でよく見かける技能実習生ですが制度を使うのにメリットやデメリットがあります。
人手不足が深刻な建設業ですので技能実習生を雇いたい法人、個人の事業主が多くいると思います。
実際に私の会社でも2人の技能実習生を受け入れています。6年間、技能実習制度を使ってみて良かったところや難しかったところをまとめてみました。
受け入れを検討されている方はぜひご覧ください。
技能実習制度ってなに?
そもそも技能実習制度は「労働力の需給の手段」としては使ってはいけないと法律で決められています。
じゃあ何なの?ってなりますよね。
「国際貢献」なんです。
簡単にいうと、発展途上国から技能実習生を受け入れて技術を教え母国へ日本で教わった技術を持ち帰り活躍するといった制度なんです。
ですが労働力確保のためだけにこの制度を利用している企業もたくさんあるようです。
ニュースで見かけるように違法に安い賃金で働かせたり、暴力を振るったりしている企業もあったようです。
今は制度もかなり見直されて技能実習生はかなり手厚くサポートされていて、企業側の審査も厳しくなっています。
人手不足解消に使うべきは特定技能の外国人になります。間違えやすいので気をつけてください。
技能実習生として日本で3年間過ごすと特定技能というビザを取得する事ができます。このことから混同してしまう人が多いのでしょう。
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どうやって技能実習生を受け入れるの?費用はかかるの?
技能実習生の受け入れ方を説明します。
「企業単独型」「団体管理型」の2種類ありますが98%は団体管理型で受け入れています。
団体管理型は営利を目的としない管理団体を通じて技能実習生を受け入れますので色々とフォローしてくれます。
管理団体は定期的に受け入れ企業に訪問して書類のチェックや相談を受けてくれたり入国時の複雑な書類を作ってくれたり日本語に不慣れな技能実習生のフォローをしてくれたりとなくてはならない存在です。
営利を目的としてない団体ですが当たり前のことながら月々の管理費用はかかります。受け入れる国によって違いはあるのですがおよそ月2〜4万円の間になります。
受け入れまでの準備
どこの国から受け入れたらいいの?
出典:法務省データより
数年前までは技能実習生は中国からが当たり前でしたが、現在ではベトナムから受け入れることが多くなっています。その理由としてベトナムはアジアでも有数な「親日国」で日本企業への信頼感が高いことからだと考えられています。
技能実習生を受け入れるのはどこの国からがいいの?国ごとの特徴とは
私の会社ではインドネシアから2人受け入れています。
「なんでインドネシアからなの?」とよく聞かれます。
インドネシアを選んだ理由
正直なところインドネシア人が良かったというわけではありませんが中国人、ベトナム人から良い人材が集まらなかったのが1番の理由です。
実際にベトナム、インドネシアに現地面接に行った話
ベトナムは5人面接予定だったのに実際に面接できたのは2人だけでその2人ともやる気が感じられなかったので面接を中止して帰国しました。たまたまタイミングが悪かっただけかもしれませんが私には到底納得できませんでした。
インドネシアでは5人面接予定だったのに対して7人面接できました。数の問題ではありませんがベトナムで失敗していたのでありがたかったです。
面接の時もとてもキビキビしていて好印象だったのを今でも覚えています。
簡単な日本語のテストと技術面のテストをしてこの時に1人受け入れました。
6年間で2人のインドネシア人と働いて今ではインドネシア以外からの受け入れは考えられなくなってしまいました。
技能実習生受け入れのメリットデメリット
メリット
人材を確保する事ができる
定められた3〜5年の間は実習生の力を借りれます。実習生を受け入れ可能な職種はどこも人手不足が深刻な業種ですので実習制度の利用を考えてみてはいかがでしょうか。
うまく取り入れることで業績の向上に結びつける事もできます。
社内の活性化につながる
マジメな実習生が会社にいると日本人の社員たちにも良い刺激になります。
仕事を教えたり、積極的に話しかけたりが増えるので会社全体の連帯感も強くなります。
私の会社でも休憩時間はみんなバラバラでスマホを見ていたのが今では輪になって談笑しています。
作業効率改善
実習生を受け入れるにはわかりやすく教えるために作業の工程を見直しをしないといけません。その結果として作業効率の改善が期待できます。
また、今まで慣れ親しんだ作業でも新たな気づきがあるかもしれません。
デメリット
手続きが複雑
技能実習生を受け入れるためには多くの手続きがありどれも複雑です。手続きの内容としては管理団体への申請や技能実習計画の提出、在留資格やビザの申請などがあります。
言葉の壁
実習生も挨拶や簡単な日本語は学んで来るのですが作業中の言葉は難しい言葉が多いので最初のうちは大変です。
特に現場では危険も伴うので注意が必要です。
来日まで時間がかかる
およそ7ヶ月ほど入国までに時間がかかります。
これはビザの申請や手続きに時間がかかるためです。なので緊急時の人材確保の手段としては使えません。
失踪するかもしれない
ニュースなどでもよく取り上げられていますね。
せっかくお金をかけて貴重な戦力として受け入れたのに失踪されると損失は大きいです。
この問題はこれまでの日本企業の問題があったからです。劣悪な環境で働かせ、まともに給料も払わずとなると誰でも逃げます。
これは自信を持って言えます。
誠実に対応すれば実習生が失踪することはありません。
まとめ
外国人技能実習制度にはメリット、デメリットがありますが私は今後もインドネシアから受け入れます。
デメリットになるところはこちら側が努力すれば改善できるところが多いです。
実習生を受け入れるときには現地面接に出向くことをオススメします。
スカイプ面接もあるのですが会ってみない事には何も始まらないと考えています。これから何年か一緒に働き、1000万円近くのお金を払うのですから会わないで採用を決めるのは間違っています。
今、一緒に働いているインドネシア人実習生は面接の簡単なテストで0点でした。テストの時に緊張のあまり問題を読み間違えていたみたいです。
ですが今では技能実習生から特定技能になるくらい活躍してくれています。このようなこともスカイプ面接では気づけません。
海外に慣れていない人でも現地面接の時は管理団体の職員さんが同行してくれますので何も心配はいらないです。
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