こんにちわ!職人です。
前回に引き続き西日本最大級のショッピング施設の工事の裏側を暴露します。
トイレ編
この施設は地上30階建て以上の高層ビルです。常時3000人以上の作業員が現場で働いていました。
トイレは5、10、15、20、25、30階にありました。
各階に小が3つ、大が2つです。
大体の職人は朝か休憩時間にトイレに行きますよね。そうするとどうなるか・・・
トイレに大行列ができます。小さい方ならまだ良いんです。大きい方は自分との戦いになります。冷や汗を流している人や貧乏ゆすりで誤魔化している人がたくさんいました。
私はお腹が弱いのでかなり苦労しました。一応、誤爆したことはありません。
高齢の職人さんでオムツを履いて対処している人がいるほどのトイレ問題でした。
前記事で休憩時間がきっちり決められていた記事を書きました。
10:00〜10:15
12:00〜12:45
15:00〜15:15
上記の時間以外は座ることすら許されてないのです。見つかればペナルティ。
『誰も見てないでしょ』と思いますよね。
この現場には監視員のような1日現場中を見回る専門の人がいてたんです。
トイレに行くと20分ほどは並びましたのでこの現場の休憩時間のほとんどはトイレに使うことになります。
皆さんはこんな現場で作業したいですか?
私はもう懲り懲りです。
これはこの現場の都市伝説みたいな物ですが・・・
この現場のトイレ問題にブチ切れた職人さんが某大手ゼネコンの事務所で盛大にお漏らしをして現場を去ったという伝説があります。
もし本当ならこの職人は勇者ですね。
作業編
この現場では決められた休憩時間は作業が禁止でした。
朝礼が8:00から全体の朝礼
8:30から自分が作業するフロアーの朝礼
8:45から自分が作業する店舗の朝礼
17:00作業終了 残業は2日前の昼までに申請
この現場の唯一楽だったところです。作業時間が短いんです。急な残業は認められていないので残業もできないしそもそも2日前に申請しても何社か集まらないと認められなかったのでほとんどが申請しても無駄に終わりました。
実際の作業自体は多くの現場と同じように不安全行動をしなければ問題ありませんでしたし、品質面も普通に作業していれば問題ありませんでした。
作業に当たって一番気をつけなければいけなかったのは掃除と後片付けでした。
汚いと注意を2回受ければ作業中止のペナルティです。
道具、材料も綺麗に整理整頓されているかチェックされます。
現場が汚いとペナルティを受けますが、掃除をして埃をたててもペナルティを受けます。埃がたたないように水を撒きながら掃除しますが水をこぼしたらペナルティです。
こんなことを毎日言われていたらなんだかいじめられている気分になってきます。
番外編
新規入場者教育の時に2枚腕章をもらった話を前記事でしました。
2枚の腕章は・・・
某大手ゼネコンの名前が書かれた腕章。
店舗名が書かれた腕章。
この2枚です。
紛失すると全員の分を作り替える金額の弁償というルールがありました。
もし、某大手ゼネコンの腕章をなくすと3000人分の腕章を作り替えなければいけません。1枚500円だとしても3000人分で150万円になります。
実際、私が作業していた期間で3回腕章が新しくなりました。
一体誰が払ったのでしょうか・・・
私が思ったこと
今回は2回に渡り某巨大ショッピング施設工事の裏側を書いてきました。
この記事を読んだからどうなる?と言ったことはありませんがこんな現場もあったんだよと言った感じで読んでいただければ嬉しいです。
謎に厳しいルールの現場で作業も進まない、残業もできない現場でした。
私達職人もそうですが、店舗を管理していた人たちは板挟みで本当に大変だったと思います。
当たり前のルールもありましたが理不尽なルールもありました。その背景には改めて職人を教育する為に厳しいルールを作ったとも言われていましたがそれが出来たのは大手ゼネコンだったからでしょうね。嫌気がさして職人が来なくなってもすぐに他の業者を補填していました。大手には逆らえませんもんね。
そんな厳しいルールの現場でも小さな怪我や大きな事故もありました。そう考えるとやはり現場の作業は危険が多いですね。最終的には自分の身は自分で守らなければと強く思いました。
こんな過酷な現場はもう懲り懲りです。近々 全く同じような工事が始まるみたいです。私の会社は受注しませんがもし、この現場に入場する職人がいたらくれぐれもトイレ問題と腕章の紛失には気をつけてくださいね。